高松市市民プールの存続を求める会 抗議声明

2021年11月24日
高松市長 大西 秀人 殿
抗 議 声 明 
高松市市民プールの存続を求める会
共同代表  林  俊夫
梶浦 志保子
篠田 マサ子
多田 久幸
中田 耕次
今般、高松市が市民プールの廃止を決定したことに対して、「高松市市民プールの存続を求める会」は、広く市民を代表して強く抗議をします。
1.まず、廃止ありきの市の姿勢が問題であります。
地方自治法第1条の2により、市民福祉の増進の義務を第一義とする地方自治体が、2016年高松市公共施設再編整備計画を定め、市民プールを含む80余の福利厚生施設を大量に廃止することは、上記地方自治法違反であり違法であります。
すなわち、公共施設再編整備計画はもっともらしき名称で糊塗されていますが、実体は福祉を切り捨てる公共施設廃止計画であります。
2.市民プールの存続を求める第1次分の署名23,000余筆、および第2次分の署名5,000余筆、ならびに市民を対象としたアンケート調査で、存続を求める人の割合が60%に達したこと等から、高松市は「これを重く受け止める」と言いながらも、2019年、上記の公共施設再編整備計画を維持するために、不当にも「大修繕が必要となった段階で廃止する」という見解を打ち出し、今般この見解を基に市民プールの廃止を決定しました。
3.高松市の市民プールに対する安心・安全な管理体制のあり方も根本から問われます。プールが完成して43年間、一度も配管の取替等必要な修繕を行わず、メンテナンスを怠ってきた責任を棚上げにして、大修繕が必要となれば廃止するという見解は到底認められません。
4.高松市は、公共施設の適正配置等を勘案した結果市民プールを廃止にしたといいますが、市民プールは毎夏、子どもや親子連れなどで賑わい、昨年はコロナ禍で人数制限をしましたが、ここ数年の平均的な利用者数は約35000人(2カ月間)です。
一方で利用そのものが少ない屋島陸上競技場に、約67億円もの巨額の建設費を投ずるとはどういうことでしょうか。
5.市民プールの解体造成費用が6億2,900万円かかるとのことですが、存続を可能にするための修繕費5億円を大きく超えています。高松市が憲法および地方自治法に基づき”自治体の使命”である”住民の福祉”を真剣に考えこれと真剣に取り組むのであれば、前者の解体造成費を後者の修繕費に使うべきであります。
6.土地開発による海面埋立によって失われた大的場海水浴場の代替えを求める市民の悲願によって実現したのが市民プールです。したがって、市民プールは大的場海水浴場の近似性をもち、一般のプールにはない重要な特徴をもっています。波打ち際での子どもの命を守る水泳学習の場に近づけるため、水深は1メートルと浅くかつ砂浜に波が打ち寄せる動的要素を取り入れた”流水プール”という点です。これにより親子が共に楽しめる場となっています。
プールの入り口には「高松市民スポーツ憲章-だれでもいつでもどこでもできるスポーツ活動をとおし活力ある都市を築く(一部略)」が掲げられ、市民プールはまさにその象徴ともいえる施設です。
7.憲法および地方自治法は、障がい者等社会的弱者の保護を実質的平等の観点から最重要視しています(狭義の福祉)。これは多数決になじまない、利用者数でも決まらない、少数利用でも必要とされる市民プールは、幼児、子ども、障がい者等社会的弱者の利用が主体となっている特殊な施設です。このように他の公共施設とは異なる特性をもつ市民プールを再編整備計画の対象としたこと自体、誤りであります。
早急に、高松市は市民プールを再編整備計画の対象から外し、廃止を撤回すべきであります。もし廃止を強行するなら、血も涙もない非情な行政と言われても仕方ありません。
(結論)
高松市があくまでも市民プールの廃止を強行し、一般市民および幼児、子ども、障がい者等の社会的弱者から、人間の当然の要求である泳ぎの場を奪うなら、高松市はその時点で現在の市民プールに相当する代替え施設を早急に準備する義務が新たに発生することを忘れるべきではありません。
今後も、われわれ「高松市市民プールの存続を求める会」は、ますます広く市民と連携し、より強い運動を続けることを宣言します。
署名にご協力ください

高松市市民プール 廃止ではなく存続・充実を求める署名 用紙 (PDF)